くう

飼い猫のくうが他界して一年が過ぎた。
白とグレイの毛皮を持ったくうは、ほっそりしたきれいな猫で、
いつも物憂げな表情をしていた。
気がつけばそばに寄り添っているような、静かで大人しい猫だった。
くうは14年の生涯のうちに、周囲の人間たちにいろいろなことを教えてくれた。
猫と暮らすためのルールはもちろん、癒すということ、耐えるということ・・


くうのおかげで、豊かな14年間だったな。
もう猫と一緒に暮らすことはないと思う。
くうだけで充分。


楽しかった。